日本の技術パネェ、という話と後がないという話。
花登筐原作・志垣太郎氏主演の戦前の大阪が舞台のドラマと言えば「あかんたれ」です。
- 作者: 花登筐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1983/09
- メディア: 文庫
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- アーティスト: 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
- 出版社/メーカー: フリーボード
- 発売日: 2008/07/23
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通りの角から三軒目
メリヤス工場(こうば)の塀の陰
いつも泣いてるあかんたれ
何で泣くのと聞いたなら
返事もせずにまた泣いた
松下幸之助翁が丁稚奉公していたり、メリヤスの当て字が「莫大小」だった時代の大阪ですなぁ。
戦後も10年かそこらの昔には、大阪の府立高校では貝塚高校や泉南高校や鳳高等学校横山分校に、
「隔週制課程」なんてのがあったりしたんですよね。
それは、地場産業の繊維工場で交代勤務をしていた生徒たちの学習時間を確保するためだったのです。
消えゆく隔週定時制 府立貝塚高校 繊維の街「日本最後の1校」
ぶっちゃけ、昔の大阪府南部は繊維関連の軽工業の工場だらけだったというか。
ちなみに東部は今でも機械ものの町工場が多かったりします。
でもって、遠くは奄美大島あたりからも中学を卒業したばかりの子が「金の卵」と言われて、
はるばる大阪の工場に働きに来たりしていたんですなぁ。
そうこうしている内に「産業の空洞化」が始まって、
日本にあった工場はどんどん中国などにシフトしてしまったのでありました。
それでも中国製のユニクロのカットソーを編んでいるメリヤス編みの機械には、
奈良の会社で作っている針が使われているらしい。
巨大リリアンのような輪編みの機械も日本製ががんばっているようで。
何だかんだで「世界の工場」を支えているのは日本の技術だったりするから笑えるなぁ。
これは家庭用編機メーカーの仕事に関わった方の本です。
文中に登場する会社名がブラザーもシルバーも仮名にされているのが面白いw
筆者の小澤満恵氏は大阪在住の作家で、小説に「球体のドラマ」があります。
- 作者: 小沢満恵
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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原型は徳島の会社が開発した「ジャンボ編機」だったそうです。
シルバー製の太糸専用機に対抗するために提携したそうな。
ピッチ「9mm」の機種ではブラザーの「るーぱる」初号機やシルバー精工の「あみむめも」初号機もそうでした。
既製品のニットが簡単に手に入るようになって、家庭で編機を使う主婦も絶滅寸前、
ブラザーは編機の製造自体を止めてしまったのであります。
それでも中古の日本製編機はミャンマーあたりでまだまだ使われていたりするからびっくり。
家庭から廃品として回収した業者がメンテナンスして輸出しているらしい。
さて、ウチにある「ナイン」がぶっ壊れたらもう後がないから、
某オークションにでも出ていたら、部品取り目的で入手して置かないと難儀そうで。
ブラザーの代理店さんの部品の在庫が切れた時が心配でございます。
昔、保険用に買ったまだ編機を作っているシルバー精工さんの中古4.5mmピッチもあるけど、
あまり出番なさそうなw
実家にはオカンが使っていたブラザーの4.5mm(パリエ)があるけど、
ちゃんと動作するのか?
この国の機械を作る技術も使う技術もこのまま廃れていくのってどうよ、と思うのですが、
それこそ国産ロボットがやってくれるなら、良しとすべきなんでしょうかねぇ・・・
がんばっている国内工場さんのサイトが♪
大きい靴下,ゆったり靴下,大きいサイズ,足首ゆったり,ゴムなし,31cm靴下,介護用靴下
昔ながらの工場では、記録媒体としてのカセットテープやFDがまだまだ現役だということに驚いたりします。
DOS/V以前のNECのPC-9801?
つま先のリンキングをする職人さんはネ申!並太毛糸のメリヤスはぎなんてまだマシですなぁ。
メス切りは家庭用編機でする捨て編みそっくりです。
奈良県広陵町の靴下工場さんです。
MIHARAYASUHIRO×Le Monde 第3回 ル・モンドの靴下(1)
MIHARAYASUHIRO×Le Monde 第3回 ル・モンドの靴下(2)
MIHARAYASUHIRO×Le Monde 第3回 ル・モンドの靴下(3)
目数が60というローゲージの機械で実際に履いて快適な製品が作れるそうです。
手編みではやたら細い針と糸でハイゲージな靴下を編むのにこだわる人も多いのはなんでだろうw
イマドキの普通の靴下は170〜180目だとか。
コットン+ヘンプは春から履くのによさそうですね。