備忘録

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昔の岩手県に、中村重兵衛さんという凄いおじいちゃんがいた!

百十七歳を生きる―中村重兵衛翁堂々の生涯 (1974年)

百十七歳を生きる―中村重兵衛翁堂々の生涯 (1974年)

満116歳、日本で歴代2位のご長寿だったという方なんですが、
45歳の時に明治三陸地震に被災、1人だけ生き残ったものの、妻子など家族全員が亡くなるという壮絶な体験をされています。
で、中村重兵衛さんのリベンジがこれまた凄い。
2年後に再婚して、何と5男3女の大家族で復活だ!


さて、注目すべきは中村重兵衛さんの食生活です。岩手大学の研究論文がありました。
現代の食生活の動向と長寿に関する研究
http://ir.iwate-u.ac.jp/dspace/bitstream/10140/1093/1/erar-v30n3p1-26.pdf

澱粉食率は77才で69.2%,100才で70.2%,114才で67.8%,11(享才で68.8%となっており,
短命地域の米食偏重食事に比較すると,はるかに米の依存度が少ないことを示している。
さらにその内容をみると,米が不足な地域であったため,77才までメノコ飯)を主体とし,
100才以降は大麦を米に3割から4割混入した。
したがって現代の食事に不足しがちなビタミンが豊富にとられ,老化を予防することができた。
すなわち動脈壁をまもるコリン,パントテン酸,ビタミンB8,また老化予防のために体のSHを減少しないような還元物質,
ビタミンEも,充分にとられたのである。
つぎに蛋白質のとり方であるが,第12表が示すように,老人の食事としてはかなり多く,
動物蛋白比はいずれの時も60%をこえていた。その給源は易消化で脂肪の少ない魚に依存し,
特にウニやアワビの肝臓,骨や内臓毎食食べるドンコ汁を愛用した。
卵は週に2〜3個,宗教上肉食禁忌を励行し,肉類は一生摂取しなかった。
一般に老人は動物性蛋白質のとり方が少なくなりがちで,体が衰弱し,いろいろな病気に対する抵抗力を失ってくるが,
日本人の第一制限アミノ酸であるトリプトファンも多く,蛋白価も高い食事であることがわかる。

メノコ飯は、米1・ムギ・アワ・ヒエ8・メノコ(昆布)1の割合で炊いたものだそうです。
ドンコ汁は、魚の汁ものでコラーゲンが豊富らしい。
やっぱり雑穀どっさり混ぜて米は食べ過ぎNGのようで。
ちなみに同じ岩手県民の宮沢賢治は「玄米四合」で若死にしているしで。
やはり、「身土不二」「地産地消」がいいということなんでしょう。


で、今回の震災で生還した方たちに、中村重兵衛さんのことを思い出して欲しかったのです。
きっと向こうの世界から「ワシがいるから大丈夫じゃ」と見ておられるのではないでしょうか。



このおじいちゃんもかっこよかったです。