備忘録

インターネット老人会のよしなしごとを…

「二畳庵主人」の「漢文法基礎」のポルノ漢文に使われた原文とは・その1。

大漢和辞典」がブルーレイ化してくれたら利便性が上がるのに、などと考えるこの頃です。
フリーの「今昔文字鏡」もいいけど、タダ版の方は使いにくいのが難点ですなぁ、などと考えていたら、
最近は、意外な語句でここに漂着する方が結構あるのにびっくりしています。
漢文法基礎 の検索結果 約 72,300 件中 1 - 10 件目 (0.06 秒)
うはー、なぜか堂々の1ページ目ぢやまいか。で、過去ログです。
http://d.hatena.ne.jp/simayan/20080819/p6
二畳庵主人の中の人らしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E5%9C%B0%E4%BC%B8%E8%A1%8C


さて、件の本はこれです。「増補版」です。500ページ強でオークション価格が30000円近かったりするわけですが・・・

1ページ当たりのお値段が60円に近いとは何だかなぁという気持ちになります。


2ちゃんねるのスレ
二畳庵主人『漢文法基礎』は何故復刊されないのか?
密林では・・・

漢文法基礎

漢文法基礎

中古で16500円からとなw
なので、復刊ドットコムの投票にご協力をお願いします。
漢文法基礎 二畳庵 主人 復刊リクエスト投票
で、「漢文法基礎」の投票者の復刊コメントを読むと、やはりそうなのかというべきか(笑)

Z会の会報に二畳庵主人をネタにパロディを投稿したのも懐かしい思い出です。
「ポルノ漢文」収録で、ぜひ復刊を!!

「ポルノ漢文」が秀逸でした。

ポルノ漢文がある版で御願いします!

古書で漢文法基礎を目にすることがありますが、「ポルノ漢文問題」が収録されていないものばかりです。
これが収録されてなきゃ、漢文法基礎じゃありません!復刊のあかつきには、ポルノ漢文も復活させて下さい!

ポルノ漢文キター!
ちなみに、殆どの復刊コメントは参考書としての素晴らしさを復刊の理由として挙げていました。念のためw
「ポルノ漢文問題」のある旧版とない新版ではオークション価格も違うらしいとは(笑)


ところで、件の本でポルノ漢文問題のトップバッターに使われている原文は「通鑑紀事本末」のもの。
「通鑑紀事本末」とは、編年体で書かれた司馬光の「資治通鑑」を、紀事本末体に編纂しなおしたもので、
これは紀事本末体で書かれた最初の史書でした。司馬光も「資治通鑑」も世界史の授業でもおなじみ。
紀事本末体 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

紀事本末体(きじほんまつたい)は、紀伝体編年体と並ぶ歴史書の書式の一つ。
南宋の歴史家袁枢は『資治通鑑』を愛読し、『資治通鑑』の記事を並べ直して、
事件ごとに項目を立てた『通鑑紀事本末』を1174年に完成させ、翌年に出版した。
これが紀事本末体の始まりである。

編者の袁枢さんはこんな人です。彼が生きていた頃、日本では平安末期から鎌倉にかけての時代ですね。
袁枢 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


さて、二畳庵先生が「通鑑紀事本末」から引用したのは、山陰公主と褚淵のエピソードの箇所なのですが、
山陰公主(446〜465年)とは、魏晋南北朝時代南朝「宋」のお姫様で、超ド淫乱なことで有名な女性でした。
ちなみに「公主」とは皇帝の娘で「姫様」って所ですね。
彼女は大臣であった褚湛之(411〜460年)の息子の褚淵(435〜482年)が美男子だったため、あの手この手で誘惑しましたが・・・
褚淵(字は彦回)は、宋の文帝の娘の余姚公主の夫で、南朝の宋・斉の2つの王朝に仕えた人物です。
ちなみに皇帝の娘と結婚した夫を「駙馬」と呼んだりするのは三国志あたりでもおなじみです。
宋 (南朝) 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
同時代の日本は倭の五王がいた頃なのか。


こちらはポルノ漢文問題の原文と同じエピソードを紹介した中国語のサイトです。
山陰公主擁有30男寵不滿足:與親弟弟亂倫通姦
他にも「山陰公主 褚淵」でグーグル先生に聞けば、中国語圏のサイトが色々と♪
山陰公主って、中国の歴史における「五大荒淫公主(五大ヤリマン姫君)」の1人らしいから凄いわ・・・


「その2」で原文と現代語訳をやっちゃえ、という予定ですが、
まぁ、そんなに過激ではなさそうなので、はてなのアカウントがあぼーんすることは無いと思いますが(笑)
ただし、「漢文法基礎」の他の問題の原文の訳はもろ18禁になりそうです。


色々調べ物をしていたら、東魏の楊衒之の「洛陽伽藍記」がPDF化されたものが配布されていてびっくり。
これの1部は故・駒田信二先生が訳していたっけ。中国の鬼(亡霊)ものの本に収録されていたはず。
平凡社の「東洋文庫」のシリーズにも電子化されているものが結構ありましたね。