備忘録

インターネット老人会のよしなしごとを…

「百合印」のメリヤス編みの糸を巡る話。

まぁ、この糸のルーツは、ということで。

糸、と一口に言ってしまいますが、

  • 紡績業・・・木綿(コットン)糸
  • 製糸業・・・絹(シルク)糸

綿花から綿糸を作る紡績と、繭から絹糸を作る製糸とは、きちんと区別されていたそうな。
羊さんの糸(毛糸)は紡績業に。今ではシルク混紡の糸も多いからどうなってるんだろう、という話はさておいて。


紡績しても、糸のまんまだと使えないので、織ったり編んだりして布という製品にするわけですが、
産業が空洞化する前までは、関西は織ったり編んだりという軽工業が盛んな土地だったわけです。
戦前の大阪が舞台のドラマ「あかんたれ」のOPにも「メリヤス工場」の歌詞が出てきますね。
メリヤス編みにした生地は縫われてTシャツのような「カットソー」になることが多いですが、
昔、糸そのものをメリヤス編みにした職人さんが京都にいた、ということらしい。


ネットをウロウロして拾った話をまとめると、大正12年に京都のメリヤス職人が、
糸そのものをメリヤス編みにしたアメリカ製のi-codeみたいなもんに倣って、
てかどう見てもそれは「チューブヤーン(tube-Yarn)」だと思うのですが、レーヨン繊維を使って再現、
(京都なんでおそらく和装で使われる組紐の発想が根底にあったのではと推測。)
そのレーヨンの糸を、東京のある糸問屋が「百合印」という商標をつけて販売、
外国の顧客にその品質の高さが評判となり、
「百合印」の商標を英訳した「リリー・ヤーン(Lily-Yarn)」の名で親しまれたそうな。
その名称が逆輸入され、さらに訛って「リリヤン」「リリアン」になった、らしいです。
京都の職人さんの名前は?東京の糸問屋はどこだったのか?
日本近代の軽工業の歴史に詳しい人にでも、そのあたりは聞くしかないのかなと思ったりしますがどうでしょう。


そういえば、昨日の「ダルマ印」の商標といえば横田株式会社さんです。レース糸などでおなじみ。
京都が発祥の地ですた。奇しくも京都でメリヤス編みの糸が生まれた1923年(大正12年)に、
販売網を全国に拡大したそうです。
横田さんのキルト用だけど、これの生成は普通に縫うのに出番が多いっす。


あ、経済系「断捨離」本が出たようです。

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